活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2021-06-02から1日間の記事一覧

【書評】宮城の海に潜り続けた男の濃密な評伝『潜匠 遺体引き上げダイバーの見た光景』(矢田海里/柏書房)

その人にしか語り得ない境地というものがある。人生は十人十色だが、特殊な技能が必要で、なおかつ特異な環境に我が身を起き続けた人の軌跡はとりわけ面白い。本書は、若くして潜水の才能を発揮し、宮城の海から無数の遺体を引き上げてきた男・吉田浩文の激…