活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2015-12-05から1日間の記事一覧

『見張る男』 フィル・ホーガン著 羽田詩津子訳 角川文庫

のぞき男の私小説? まるで存在感のない人間がいる。ごく一般的な容姿容貌を持ち、いつも静かで、周りの景色に溶け込み、波長を合わせて目立たぬよう振る舞う。本書の主人公ヘミングはそういう、学校や職場に一人はいそうなヤツである。 だが彼に全く特徴が…