活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2019-02-01から1日間の記事一覧

【書評】壮絶で高濃度な流転の旅――『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳/ちくま文庫

壮絶で高濃度な流転の旅 なんだか可愛らしいタイトルで、中身も300ページほどとコンパクトだが、話はなかなかにハードな小説である。だが読み終えたあと、思いもかけない境地に至らされ、運命的な出会いがあった日の帰り道のような陶酔した感覚がしばらく抜…