活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2017-07-29から1日間の記事一覧

【週刊800字書評】『鏡の迷宮』 E・O・キロヴィッツ/越前敏弥訳/集英社文庫

幻覚を終わらせないリアリティ 家族や旧友と、昔の思い出を語らっているとき、認識の違いに直面したことはないだろうか。同じものを見ていた、あるいは同じ体験をしたはずなのに、話が微妙に食い違っている。議論を交わしてもお互い譲らず、あやふやで終わっ…