活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2015-05-26から1日間の記事一覧

『東方の黄金』 ロバート・ファン・ヒューリック 和爾桃子訳 ハヤカワ・ミステリ

さらりと読める唐の探偵奇談 まず、肩の力を抜いて、ゆっくりと想像してみよう。七世紀半ば、唐時代の中国――。 都の若き官吏・狄仁傑(ディーレンチェ)は、毒殺された知事の後任として、信頼の厚い老僕一人を従え、初めての任地・平来(ボンライ)へと向か…