活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2018年刊

【書評】『進歩 人類の未来が明るい10の理由』 ヨハン・ノルベリ/山形浩生訳/晶文社

※この記事はHONZからの転載です。 悲観に入れ込みすぎないように ニュース番組を見て憂鬱になる。新聞やインターネットの記事を読んでげんなりする。暗い内容ばかりだからだ。シリア情勢、温暖化、テロに凶悪犯罪、不況、所得格差、貧困、差別、少子化・高齢…

【800字書評】『アイリーンはもういない』 オテッサ・モシュフェグ/岩瀬徳子訳/早川書房

※この書評は2018年4月29日付産経新聞読書面からの転載です。 醜悪な心を書き尽くす 死者のような、慈悲深い無の微笑み――24歳のアイリーンが仕事中につけていた表情だ。彼女は内奥に秘めた激情を抑えるためにこの仮面をかぶり、内気で平凡な人間のふりをして…

『アウシュヴィッツの歯科医』 ベンジャミン・ジェイコブス/上田祥士監訳/向井和美訳/紀伊國屋書店

※この記事は2018年4月14日発売の週刊読書人からの転載です。 数奇な運命を生き延びた若き歯科医の証言 1941年、ポーランドの小さな村に暮らしていた二一歳のユダヤ人歯科医学生の家に、魔の手が忍び寄る。ナチス・ドイツによる強制連行だ。父とともに収容所…