活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2018-01-12から1日間の記事一覧

【800字書評】『声』 アーナルデュル・インドリダソン/柳沢由美子訳/創元推理文庫 

癒えない傷との対峙 「なんという人生だ」 殺された男の師が、悲嘆のあまり放った言葉だ。この言葉は、姿形を変え、幾度となく物語に表出しては、事件を捜査するエーレンデュルの内で重く響き渡る。彼もまた、自分の人生が窮地にあることを理解しているから…