活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2015-07-24から1日間の記事一覧

『まだなにかある』 パトリック・ネス 三辺律子訳 辰巳出版

予測不能のヤングアダルト小説 海で溺れ、岩礁に激しく打ちつけられて死んだ16歳の少年セス。しかし、目を覚ますと、全く見知らぬ町の道路で倒れていた。体中に包帯のような白い布が巻かれ、所々に金属片が取りついた状態で。周囲を見渡しても、車の往来はお…

【産経新聞より転載】『夜が来ると』 フィオナ・マクファーレン 北田絵里子訳 早川書房

※本記事は2015年7月19日付産経新聞読書面に掲載された書評の転載です。 www.sankei.com 不穏な気配漂う幻想小説 オーストラリア、シドニー郊外の海辺で静かな余生を過ごしていた75歳の老女ルース・フィールドは、ある夜更け、家の中を獰猛なトラが徘徊する気…