活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2014-12-28から1日間の記事一覧

『鼻行類』 ハラルト・シュテンプケ 日高敏隆・羽田節子訳 平凡社ライブラリー

虚構を現実化させる情熱 1941年、日本軍の捕虜収容所から脱走した男は、南海のハイアイアイ群島に漂着する。そこで彼が見たものは、鼻で歩行する哺乳類、“鼻行類”であった。本書は、その鼻行類の生態系や行動様式の詳細な観察記録だ。 ――という驚きの序文だ…