活字耽溺者の書評集

好きな本を自由気ままに書評するブログ。

2014-11-27から1日間の記事一覧

『九マイルは遠すぎる』ハリイ・ケメルマン 永井淳/深町真理子訳  ハヤカワ・ミステリ文庫

熟成された“純粋”本格推理小説集 本書は、安楽椅子探偵ものとしては傑作の部類に入る短編集である。なぜならば、この作品の探偵は、犯罪学に造詣があるわけでもなければ、優れた直観力を持っているわけでもない。真に純粋な推理だけで謎を解くのだ。しかも、…